導電性ペースト配合材料
~銀ナノ粒子MDot®~
導電性ペースト配合材料
銀ナノ粒子MDot®
三ツ星ベルトの銀ナノ粒子MDot®(エムドット)は、当社が独自に開発した銀ナノ粒子分散体です。
特長として、優れた低温焼結性を有し、200℃以下の低温加熱での低抵抗化・高熱伝導化が求められる各種導電性ペースト(配線/電極形成、ダイアタッチ)の焼結助剤として機能します。先端エレクトロニクス分野におけるキー材料として、お客様のさらなる技術革新に貢献します。
三ツ星ベルトの銀ナノ粒子
MDot®とは?
MDot®は導電材料や鏡面加飾用途における添加剤として活躍する素材です。
導電材料としては、焼結助剤として導電ペーストのフィラーの一部をMDot®に変更することで、低温硬化での低抵抗化が実現。さらに、MDot®は多種類の極性溶媒や液状樹脂に分散することが可能なので、配合の自由度が高く、配線形成用導電性ペースト・導電性接着剤・受動部品の内部電極用導電性ペーストに幅広く活用できます。
また本製品は次世代パワー半導体デバイスの接合材料に必要とされる高信頼性が得られるのも大きな特長です。低温焼結性にも優れており、200℃以下の低温硬化で緻密な膜を形成することができます。この性質を利用し、ダイアタッチペーストのフィラーとして使用することで、接合層の熱伝導性・接合強度の向上を図ることができます。
また、鏡面加飾用途における光輝材として使用する場合は、粒径制御された銀ナノ粒子を面内に均一に配列させることで、鏡のような光輝感を実現できます。
三ツ星ベルトの
銀ナノ粒子の特長
1
低温プロセスでの
焼結促進に貢献
MDot®は低抵抗化や高熱伝導化が求められる低温域(100~200℃)の熱処理において、各種導電性ペースト(配線/電極形成、ダイアタッチ)の焼結助剤として機能します。
本剤は低温焼結性に優れ、80~100℃で銀ナノ粒子同士の融着が始まることで導電性を発現します。この低温プロセスの実現により、周辺部材への選択肢の拡がりや生産コストの抑制、製造工程の電力消費量削減が期待されるため、SDGsに代表される社会課題の解決にも貢献いたします。
MDot®単体での低温焼結性
焼結助剤としてのはたらき
2 優れた分散安定性
通常、粒子径を小さくすると、低温焼結性や高熱伝導性が得られるものの、粒子の表面が活性化されるため、安定性が低くなります。
しかしMDot®は、低温焼結性と分散安定性のバランスを考慮してナノ粒子の表面状態をコントロールすることで銀ナノ粒子の長期安定化を実現しました。この優れた分散安定性により各種溶剤・液状樹脂へ高濃度(~90wt%)で分散させたペースト・スラリーによる提供を可能としました。
本製品は、特性バラつきの少ない高品質な配合材料として、豊富な量産実績を誇っています。
3
ご使用用途に合わせた
粒径ラインナップ
各種導電性ペーストの配合材料となるスタンダードタイプ(平均粒子径60~100nm)を基本とし、各種導電性ペースト配合材料+インクジェット印刷に対応する中粒子径(30~50nm)、さらに鏡面加飾用途に最適な小粒子径(20nm)の製品をご用意し、幅広いニーズにお応えしております。
銀ナノ粒子は溶剤に分散している状態での提供となります。
各種極性溶剤、液状樹脂への高濃度分散(~90wt%)が可能です。
分散実績のある溶剤例 | |
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エチルカルビトール | カルビトールアセテート |
ブチルカルビトール | ブチルカルビトールアセテート |
エチレングリコール | テルピネオール |
イソホロン | ジヒドロテルピネオール |
液状エポキシ | アクリレートモノマー |
銀ナノ粒子の実績・用途例
MDot®は導電ペーストの焼結助剤として優れた性能を発揮します。導電ペーストのフィラーの一部をMDot®に変更することで、低温硬化での低抵抗化が実現できます。また、MDot®は多種類の極性溶媒や液状樹脂に分散することが可能なので、配合の自由度が高く、お客様の使用法に合った提供が可能です。
焼結助剤としての特性例
銀フレークに添加した場合
樹脂分:銀比率で8wt%、焼成条件:大気中120℃ 30min
球状銅粉(銀コート10wt%)に添加した場合
樹脂分:銅比率で10wt%、焼成条件:大気中190℃ 30min
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・配線形成用銀ペースト
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・受動部品内外部電極剤
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・ダイアタッチペースト、導電性接着剤
MDot®は低温焼結性に優れ、200℃以下の低温硬化で緻密な膜を形成することができます。ダイアタッチペースト のフィラーとして使用することで、接合層の熱伝導性・接合強度が向上します。次世代パワー半導体デバイスの接合材料に必要とされる高信頼性が得られるのも、銀ナノ粒子ならではの特長です。